コンクリートを扱うときに必ずと言っていいほど出てくる「アルカリ骨材反応」という言葉をざっくりと解説します。
アルカリ骨材反応の対策を行わないと、コンクリートにひび割れや剥離が発生するので品質低下につながるので覚えておきましょう。
「アルカリ骨材反応」と「アルカリシリカ反応」の違いも解説していますので、ご覧ください。
アルカリ骨材反応とは
アルカリ骨材反応(アル骨反応)をざっくり言うと、
「セメント内のアルカリ分」と「骨材中のシリカ分」との化学反応のことを表します。
この「セメント内のアルカリ分」と「骨材中のシリカ分」との化学反応により、膨張性のある物質が出来上がることにより、ひび割れや剥離が起こります。
アルカリ骨材反応とアルカリシリカ反応の違い
「アルカリ骨材反応」と「アルカリシリカ反応(ASR)」の違いですが、結論を言うと、どちらも同じ意味と考えて大丈夫です。
正確に言うと、アルカリ骨材反応は以下の3種類あります。
- アルカリシリカ反応(ASR)
- アルカリ炭酸塩岩反応
- アルカリシリケート反応
上記3種類をまとめて「アルカリ骨材反応」と呼びます。
しかし日本で多く発生しているアルカリ骨材反応は、アルカリシリカ反応(ASR)であることから、
アルカリ骨材反応=アルカリシリカ反応(ASR)と考えて大丈夫です。
アルカリ骨材反応の意味を忘れたときは、
「アルカリ骨材反応とアルカリシリカ反応はほぼ同じ」ということを思い出せたら、
最初に解説した「セメント内のアルカリ分と骨材中のシリカ分との化学反応」といった意味が思い出しやすくなると思います。
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アルカリ骨材反応(アルカリシリカ反応)の主な対策
アルカリ骨材反応(アルカリシリカ反応)の主な対策は、以下の2点です。
- 高炉セメントB種またはC種を使用
- アルカリ総量を3.0kg/m3以下にする
厳密にはほかにもありますが、実用的でよく実施されているのはこの2点なので最低限覚えておきたいところです。
ちなみに「アルカリ総量を3.0kg/m3以下にする」と言いましたが、よく似た基準で「コンクリート内の塩化物含有量を0.3kg/m3以下にする」というのがあります。
この「コンクリート内の塩化物含有量を0.3kg/m3以下にする」というのは、コンクリート中の鉄筋の腐食を抑制するためのものです。
パッと見、よく似た数値なので混同して間違えないようにしましょう。
まとめ
アルカリ骨材反応とは、「セメント内のアルカリ分」と「骨材中のシリカ分」との化学反応のこと。
化学反応により膨張性のある物質が出来上がることにより、ひび割れや剥離が発生。
「アルカリ骨材反応」と「アルカリシリカ反応(ASR)」は、同じと考えてOK。
アルカリ骨材反応(アルカリシリカ反応)の主な対策は、「高炉セメントB種またはC種を使用」「アルカリ総量を3.0kg/m3以下にする」。
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