コンクリート(セメント)における「凝結」と「硬化」の違いを、ざっくりと解説します。
よく似た2つの言葉ですが、その意味は全然違います。
使い分けを間違えてしまうと、コンクリートの品質に関わる大きなミスに繋がってしまう可能性もあります。ぜひ覚えておきましょう。
凝結と硬化の違い
コンクリート(セメント)における凝結と硬化の違いは、ざっくり言うと以下のとおりとなります。
- 凝結 → コンクリートが固まっていく現象
- 硬化 → コンクリートが硬くなっていく現象
凝結(ぎょうけつ)
凝結はドロドロなコンクリートが徐々に固まっていく現象です。
もう少し詳しく言うと、水和作用(セメントと水の化学反応)によって、コンクリートの流動性が失われ、固結していく現象です。
「凝結」という漢字からもわかるように、凝結の「凝」は「ばらばらのものが集まって固まる」と言う意味で
凝結の「結」は「結合」「結束」「団結」のように、ざっくり「まとまる・つなぎ合わせる」といった意味です。
硬化(こうか)
硬化は凝結が終わったコンクリートが徐々に硬くなっていく現象です。
もう少し詳しく言うと、凝結が終わったコンクリートが、さらに組織を硬くして強さを増していく(強度が出る)現象です。
「硬化」という漢字からわかるように、硬化は「硬い(かたい)状態に変化する」ということがわかりますね。
続いては「凝結と硬化の覚え方」をご紹介します。
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凝結と硬化の覚え方
凝結と硬化の違いは、コンクリートが固まる順番をイメージすると違いが分かりやすいかと思います。
- コンクリートを打設する
- 凝結によりコンクリートの流動性が無くなっていき固結する
- 凝結が終わると硬化によりコンクリートが強度を増していく
凝結は流動性がなくなり固まっていく状態なので、凝結時にはまだ強度はありません。
凝結が終わる(終結する)前に再振動による締固めを行うと良いとされています。
「硬化が始まる」ということは「コンクリートが硬くなり始めている」ため、再振動による締固め行ってはいけません。
上記のようなコンクリートの「再振動」による締固めは、1級土木施工管理技士の試験問題にも出題されるほど重要なポイントです。
参考に平成29年度に出題された内容をご紹介します。
「コンクリートの締固めに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。」という問題の1文として
(4)再振動を行う場合には、コンクリートの締固めが可能な範囲でできるだけ遅い時期がよい。
平成29年度 1級土木施工管理技士 学科試験A No.10
といったように出題されました。ちなみに上記の文章は、正しい文章です。
文章中の「コンクリートの締固めが可能な範囲」というのが「凝結」のことを言っています。
まとめ
「凝結」と「硬化」の違いをざっくりまとめます。
- 凝結 → コンクリートが固まっていく現象
- 硬化 → コンクリートが硬くなっていく現象
コンクリート打設後、まずは凝結が始まり、そのあとに硬化が始まります。
凝結と硬化の違いがわかりましたでしょうか。
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