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防護柵のP種とSP種の違い(ざっくり解説)

投稿日:2021年3月20日 更新日:

防護柵(歩行者自転車用柵)には、強度によって「P種」と「SP種」の2種類あります。

この2種類の柵の違いや使い分けなどをざっくりと解説しています。ご覧ください。

防護柵のP種とSP種の違い

防護柵におけるP種とSP種の違いは、以下の2点です。

  • 設計強度
  • 柵の種類

それぞれ掘り下げていきます。

設計強度の違い

結論から言うと、P種よりSP種のほうが強度があります

具体的な強度などの数値等については、「防護柵設置基準」により詳細が載っています。以下の資料の8ページ以降をご確認ください。
>>>「 資料2 防護柵の設置基準について – 国土交通省

防護柵設置基準によると、一般的にはP種を設置することが基本ですが、集団による荷重が想定される場合はSP種を設置しなければなりません。

そのためSP種はP種に比べると大きな荷重がかかることを想定した設計としているため、SP種のほうが強度があります。

P種より強度があるSP種を設置するとされている場所は以下のとおりです。

  • 橋や高架
  • 歩行者等の滞留が予想される区間

SP種を橋や高架へ設置するとしているのは、もし歩行者が転落した場合に二次被害がでる可能性がある場所だからです。

例えば道路や線路の上をまたぐ橋や高架から歩行者が転落した場合、車両の通行や鉄道の運行にまで影響しますよね。

こうした事態を防ぐために、P種より強度があるSP種を設置するとされています。

またもう1つの「歩行者等の滞留が予測される区間」とは、柵の近くに多くの人が立ち止まったりする場所です。

例えば展望台や高台をイメージしてみてください。

展望台や高台では景色を見るために柵の近くまで行きますよね。これが旅行シーズンだったら多くの人が常に柵の近くにいたり、柵にもたれて写真を撮ったりすることが予測されます。

こうした人が多く集まることが想定される場所にも、P種より強度のあるSP種を設置するとされています。

歩行者が田んぼや水路に落ちるのを防ぐのであればP種で大丈夫です。P種はSP種より強度は低いですが、簡単に折れるというわけではありません。

集団による荷重が想定されない場所であれば、P種でも十分に効果が発揮されます。

ちなみにP種よりもSP種のほうが柵自体の金額が割高です。

柵の種類の違い

こちらも結論から言うと、 P種は「転落防止柵」と「横断防止柵」の2種類あるのに対し、SP種は「転落防止柵」しかありません。

歩行者の横断を防止するのが目的の「横断防止柵」には、そこまで強度を必要としないためSP種がありません。

ちなみにですが「P種」「SP種」と表記される柵というのは、「歩行者自転車用柵」と呼ばれる柵です。そのため「P種」「SP種」の柵では車両の衝突を防ぐことはできません。

車両の衝突を防ぐのを目的にするのであれば、ガードレールやガードパイプなどの「車両用防護柵」を使いましょう。

「転落防止柵」と「横断防止柵」の違いは以下のページをご覧ください。
>>>転落防止柵と横断防止柵の違い(工事中)

・あわせて読みたい

まとめ

「P種」より「SP種」の方が強度が強い。

「P種」には「転落防止柵」と「横断防止柵」があるのに対し、「SP種」には「転落防止柵」しかない。

・あわせて読みたい
>>>「土木施工管理技士 おすすめの問題集・過去問と作文作成代行
>>>「 効率の良い土木の勉強方法

以下のページでは土木用語などをまとめてご紹介しています。あわせてご覧ください。

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