船を係船させるための「岸壁」や「物揚場」と呼んでいるこれらの施設ですが、違いを説明できますでしょうか。
「誰かに今さら聞くのも恥ずかしい」との思いからこの記事にたどり着いた人も多いのではないでしょうか。
この記事を読めば「岸壁」と「物揚場」の違いをすぐに理解できます。
どうぞご覧ください。
岸壁と物揚場の違い
岸壁と物揚場の違いは、それぞれの施設の前面の「水深」です。
岸壁と物揚場は、実は同じ係留施設でその構造も一緒です。
なぜ呼び方が違うのかと言うと、前面の水深により使い分けています。
- 水深が浅いのが「物揚場」
- 水深が深いのが「岸壁」
水深が何m以下が物揚場で何m以上が岸壁と呼ぶのかは、港湾施設か漁港施設かで違っています。
まずは港湾施設のときの呼び名の違いを解説します。
港湾の場合
- 水深が4.5m以上の場合は「岸壁」
- 水深が4.5m未満の場合は「物揚場」
施設の呼び名は
- -4.5m岸壁
- -3.5m物揚場
などと表記されます。
続いては漁港施設のときの呼び名の違いを解説します。
漁港の場合
- 水深が3.0m以上の場合は「岸壁」
- 水深が3.0m未満の場合は「物揚場」
施設の呼び名は
- -3.0m岸壁
- -2.0m物揚場
などと表記されます。
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まとめ
岸壁と物揚場は基本的には同じものですが、水深によって呼び方が違います。
- 港湾においては水深4.5mが基準
- 岸壁は水深4.5m以上、物揚場は水深4.5m以下
- 漁港においては水深3.0mが基準
- 岸壁は水深3.0m以上、物揚場は水深3.0m以下
岸壁は水深が深く、物揚場は水深が浅いということになりますね。
港湾は漁港に比べると割りと大きな船舶が停泊する機会が多いため、岸壁と物揚場を使い分けるための水深も異なっているのだろうと思われます。
岸壁と物揚場の違いをご理解いただけたでしょうか。これで恥ずかしい思いをしなくてすむかもしれませんね。
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