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土の締固め試験をざっくり解説(土木)

投稿日:2021年3月19日 更新日:

本記事では、土の締固め試験についてをざっくりと解説します。

土の締固め試験とは、つまり「突固めによる土の締固め試験」のことを言いますが、本試験は何のために行うのか、試験の結果をどう活用するのかも解説しています。

この試験の内容は、土木施工管理技士の問題にも出題されたり、実際の現場でも品質管理のために行われたりするため、土木の知識としては必ずと言っていいほど知っておいたほうが良いでしょう。

本試験に関連する別の試験についてや、関連する用語もあわせて解説しています。ぜひご覧ください。

「土の締固め試験」の意味

土の締固め試験とは、ざっくり言うと土の密度(乾燥密度)と土の水分量(含水比)との関係を求めるための試験です。

 一般的には「突固めによる土の締固め試験」のことを言い、試験方法は「突固めによる土の締固め試験方法(JIS A 1210)」により定められています。

この「突固めによる土の締固め試験」の結果から何がわかるかというと、土がどのくらい締め固まるかがわかります。

試験方法の具体的な内容については、日本産業標準調査会(JISC)のホームページより、試験方法について詳細をご覧になることができます。

>>>「 日本産業標準調査会(JISC)
上記ホームページ内の検索バーより、JIS番号(JIS A 1210)を入力するとみられます。

話を戻しますと、「突固めによる土の締固め試験」 についてを参考書的に解説すると、「本試験により乾燥密度と含水比を求め、締固め曲線を作成する。締固め曲線の頂点が示す乾燥密度を最大乾燥密度といい、このときの含水比を最適含水比という。」となります。

よくわかりませんよね。上記文章の内容をざっくり解説していきます。

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「突固めによる土の締固め試験」ざっくり解説

まず前提として「突固めによる土の締固め試験」は、購入土や他工事からの流用土などの「盛土材」や路盤材に対して行う試験であることが一般的です。

その「盛土材」などが、どのくらい締め固まるかを施工前に試験で確認します。

なぜ「突固めによる土の締固め試験」をする必要があるかと言うと、締固めの品質管理を行うためです。

土は水を多く含むとドロドロになって密度が得られません。逆に水が少なすぎてもパサパサでボロボロになるため密度が得られません。

土は、ちょうど良い水分量(=最適含水比)のときに、最も大きな密度(=最大乾燥密度)が得られます。

この、ちょうど良い水分量(=最適含水比)と、最も大きな密度(=最大乾燥密度)は、土によって値が全然違うため、「突固めによる土の締固め試験」により求める必要があります。

以下の図は、試験結果より作成された締固め曲線の図です。

締固め曲線
締固め曲線

次の章では、試験結果の活用法などを解説します。

ちなみにですが、上記で出てきた「乾燥密度」は、コンクリート骨材の密度で用いられる「表面乾燥飽水状態」や「空気中乾燥状態」などとは全く別の話なので、混同しないように注意してください。

試験結果の活用法について

「突固めによる土の締固め試験」による結果は、現場で転圧による締固めを行う際に、試験で求めた「最大乾燥密度」に近づけるよう管理するために用いられます。

最大乾燥密度に近づけるためには、最適含水比に近づけなければいけません。現場では最適含水比に近づけるために、施工中に盛土材を乾燥させたり散水したりして土の水分量を調節していきます。

「突固めによる土の締固め試験」をした盛土材を用いて盛土が完成した後は、試験結果により得られた「最大乾燥密度」に対して実際にどのくらい締固めが行われたかを確かめることで、締固めの品質管理を行うことができます。これについては次の章で解説します。

関連する試験「現場密度試験」

「突固めによる土の締固め試験」により求めた「最大乾燥密度」に対して実際にどのくらい現地で締固めができたかを調べるには、「現場密度試験」を実施します。

現場密度試験とは、盛土した後の現地の土を用いて「砂置換法」や「RI計器を用いた盛土の締固め」により実際に締め固めた土の密度を求めます。

この「現場密度試験により得られた密度」と、「突固めによる土の締固め試験による密度」と比較することで、どのくらい締固めが行われたか管理することができます。

「現場密度試験により得られた密度」÷「突固めによる土の締固め試験による密度」が90%以上になるように施工することが一般的です。正式な基準値については、設計図書や各都道府県の土木工事共通仕様書(公共工事共通仕様書)などを確認しましょう。

土木施工管理技士試験での出題

土木施工管理技士でも土の締固めについて出題されます。

「突固めによる土の締固め試験」・・・「締固め曲線」・・・「盛土の締固め管理基準の決定」はセットで覚えておきましょう。

近年では平成30年度の1級土木施工管理技士試験にて出題されました。

関連する用語「ゼロ空気間隙曲線」

ちなみに「突固めによる土の締固め試験」により得られた締固め曲線には、「ゼロ空気間隙曲線」も一緒に記載されていることがほとんどです。

株式会社メジャーより出展

「ゼロ空気間隙曲線」をざっくり言うと、「理論上の乾燥密度の点を結んだ曲線」のことです。

「突固めによる土の締固め試験」により得られた乾燥密度というのは、土粒子と水のほかに空気が含まれています。この空気量を計算上にて0にした乾燥密度を結んだ線が「ゼロ空気間隙曲線」です。

計算にて空気量を0にするため、「理論上の乾燥密度」という言い方をします。実際には空気量0での施工は不可能です。

空気量が0ということは、土粒子と水だけの状態、つまり飽和状態ということ。飽和度Sr=100%のことです。

最適含水比で締め固められた土は、一般的に飽和度Srが90%前後であるため、この飽和度を用いて締固め管理をすることもあります。

ちなみに飽和度Srとは、間隙内(水+空気)で水が占める体積の割合のことです。計算式は次のとおり。

飽和度Sr=Vw(水の体積)÷Vv(水+空気の体積)

まとめ

土の締固め試験とは「突固めによる土の締固め試験」のこと。

「突固めによる土の締固め試験」を行うことで、盛土材のちょうど良い水分量(=最適含水比)と最も大きな密度(=最大乾燥密度) を求めるられる。

現場では、「突固めによる土の締固め試験」により求められた最大乾燥密度に近づけるように含水比を調整しながら施工する。

施工後に現場密度試験を行い、その結果と「突固めによる土の締固め試験」により得られた結果とを比較して、土の締固めの品質管理を行う。

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