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土量計算(土量変化率)を解説【間違えやすい例題付き】

投稿日:2020年1月8日 更新日:

土木工事の基本である土量計算は、土木施工管理技士試験でも必ずと言っていいほど出題されます。

実務でも使うことが多いので理解しておきたいところです。

この記事では、土量変化率(土量換算係数)を使った土量計算の方法を解説します。

間違えやすい例題とその解説もあるので、あわせてご覧ください。

土量計算の基本

土量計算の基本は「ほぐし率L」と「締固め率C」です。

ほぐし率Lや締固め率Cは、あくまでも地山土量を基準にした係数であることをしっかりと覚えておきましょう。

これさえ頭に入れておけば、土量計算を間違えることはなくなるでしょう。

次からは間違えやすい例題を使って解説していきます。

間違えやすい土量計算の例題

100m3の地山を運搬して盛土するときの盛土量

1つ目の例題は、「100m3の地山を運搬して盛土するときの盛土量」です。

L = 1.2、C = 0.9とした場合、盛土量は何m3になるでしょう。

(正) 100m3 × C0.9 = 90m3
(誤) 100m3 × L1.2 × C0.9 = 108m3

盛土量とは締固めた土量のことです。

この問題であれば地山土量に締固め率Cを掛ければOKです。

(誤)の式は、運搬土量に締固め率Cを掛けているので間違いです。

運搬土量を求めるには、地山土量にほぐし率Lを掛けましょう。

盛土100m3に必要な運搬土量

2つ目の例題は、「盛土100m3に必要な運搬土量」です。

L = 1.2、C = 0.9とした場合、運搬土量は何m3になるでしょう。

(正) 100m3 ÷ C0.9 × L1.2 = 133m3
(誤) 100m3 × L1.2 = 120m3

盛土量とは締固めた土量のことです。また、運搬土量とはほぐした土量のことです。

この問題では、まず地山土量が何m3なのかを求める必要があります。

つまり盛土100m3を締固め率Cで割り返すと地山土量が求められます。

地山土量が求められたら、ほぐし率Lを掛ければ運搬土量が求められますね。

(誤)の式は、締固め率がかけられた盛土量にほぐし率Lを掛けているので間違いです。

・あわせて読みたい
>>>「積算で購入土を計上する際の土量計算【土木】
>>>「土木施工管理技士 おすすめの問題集・過去問と作文作成代行
>>>「効率の良い土木の勉強方法

運搬土量100m3を盛土したときの盛土量

3つ目の例題は、「運搬土量100m3を盛土したときの盛土量」です。

L = 1.2、C = 0.9とした場合、盛土量は何m3になるでしょう。

(正) 100m3 ÷ L1.2 × C0.9 = 75m3
(誤) 100m3 × C0.9 = 90m3

この問題でも、まず地山土量が何m3なのかを求めなければいけません。

運搬土量はほぐした土量のことなので、100m3をほぐし率Lで割ると地山土量を求めることができます。

求めた地山土量にほぐし率Cを掛ければ盛土量が求められますね。

(誤)の式は、ほぐし率Lが掛けられている運搬土量に締固め率Cを掛けているので間違いです。

土量計算の基本は、地山土量が基準となっていることを覚えておきましょう。

地山100m3を掘削し、そのうち盛土量20m3へ流用したあとの残土運搬土量

最後の例題は、「地山100m3を掘削し、そのうち盛土量20m3へ流用したあとの残土運搬土量」です。

L = 1.2、C = 0.9とした場合、残土運搬土量は何m3になるでしょう。

この例題はちょっと特殊で難しいかもしれません。

土木施工管理技士の試験ではこのような問題は出題されないかもしれませんが、現場ではよく使われる計算です。

この問題は、掘削土の一部を盛土へ流用し、その残りの土の運搬土量は何m3になるかという問いです。

(正){ 100m3 – ( 20m3 ÷ C0.9 )} × L1.2 = 93m3
(誤)( 100m3 – 20m3 )× L1.2 = 96m3

まずは、盛土へ流用するために盛土量20m3に対する地山土量を求めなければいけません。

盛土へ流用するための地山土量が求められたら、掘削する地山100m3から差し引き、その後にほぐし率Lを掛けたら残土運搬土量が求められます。

現場での土量計算

公共事業で積算・発注の際に使用される土量は、すべて地山土量で表記されていることが多いです。

例えば掘削土をすべて運搬するときであれば、

掘削 100m3
残土運搬 100m3

で計上されています。

L = 1.2の場合なら残土運搬120m3が正解ですが、積算上の数量は残土運搬100m3としています。

ただし、ちゃんと費用は120m3分の運搬費用となるように補正がされています。

すべて地山土量で記載するので、発注者も受注者も土の動きが分かりやすくなっています。

土量変化率がかかっているかいないかで土量が大きくかわります。

特に土量の多い工事だと、小さなミスが大きな損害につながってしまうかもしれません。

受注者の方は残土運搬や盛土量が記載されていたら、それが「地山土量」なのか「本来の土量」かの確認をするクセをつけておきましょう。

・あわせて読みたい
>>>「土木施工管理技士 おすすめの問題集・過去問と作文作成代行
>>>「 効率の良い土木の勉強方法 

まとめ

土量計算に使われる土量変化率(土量換算係数)は、地山土量を基準にしており、以下のとおりに算出されます。

また試験や実際の工事現場などでは、「ほぐした土量」「締固めた量」とは言わず、

  • ほぐした土量 → 残土量、運搬土量
  • 締固めた土量 → 盛土量

と言い換えられます。

この2点をしっかり覚えておけば、土量計算に戸惑うことはないでしょう。

・あわせて読みたい
>>>「土木施工管理技士 おすすめの問題集・過去問と作文作成代行
>>>「 効率の良い土木の勉強方法 

以下のページでは土木用語などをまとめてご紹介しています。あわせてご覧ください。

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