U型側溝と自由勾配側溝の違いがわかりますでしょうか。きっと土木初心者であれば頭を抱える人もいるかもしれません。
この記事ではざっくりとU型側溝と自由勾配側溝の違いを解説しています。
また、2つの側溝の簡単な見分け方もあわせてご紹介しています。ご覧ください。
U型側溝(U字溝)と自由勾配側溝(VS側溝)の違い
U型側溝(U字溝)と自由勾配側溝(VS側溝)の大きな違いは「排水勾配の取り方」です。
「排水勾配の取り方」の違いとは以下のとおりです。
- U型側溝 → 排水勾配と道路の縦断勾配は一緒になる
- 自由勾配側溝 → 自由に排水勾配を設定できる
どちらの側溝も道路の舗装面に合わせて設置をするのですが、製品の構造上の違いから排水勾配の取り方が異なります。
U型側溝の排水勾配
U型側溝の場合、道路の舗装面に合わせて設置すると自然と排水勾配も道路の縦断勾配となります。
U型側溝は、名称のとおりアルファベットの「U」の形をした側溝です。
そのため側溝上端から側溝底までの高さが一定であることから、道路の舗装面に合わせて設置すると、排水勾配と道路の縦断勾配は一緒になります。
言い方を変えると、U型側溝内の排水をきちんと流すためには、道路面に縦断勾配が取れていないといけません。
自由勾配側溝の排水勾配
自由勾配側溝の場合、U型側溝と同様に道路の舗装面に合わせて設置しますが、道路の縦断勾配を無視した排水勾配をとることができます。
どういうことかと言うと、自由勾配側溝は底部面が無いため、側溝を設置後にインバートコンクリートと呼ばれる底部コンクリートを打設することにより、勾配を自由に設定することができるのです。
道路の縦断勾配が無い箇所へ側溝を設置する場合や、排水の流末の位置(最終的にどこに排水を流すか)を調整したいときに自由勾配側溝を設置します。
U型側溝と自由勾配側溝では、金額はU型側溝の方が安いです。
側溝整備はU型側溝が基本ですが、排水勾配を調節したいときは自由勾配側溝を設置します。
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U型側溝と自由勾配側溝の見分け方
U型側溝と自由勾配側溝の簡単な見分け方をご紹介します。
U型側溝と自由勾配側溝の見分け方は断面図を見たら一目瞭然だと思いますが、既に設置されている側溝を見てどちらの側溝が設置されているかすぐにわかりますでしょうか。
簡単な見分け方は「側溝蓋」を見ればわかります。
U型側溝は、側溝上に連続して側溝蓋を設置できます。
自由勾配側溝は、側溝上に連続されずに設置します。
以下はU型側溝の画像です。
コンクリート蓋やグレーチング蓋が連続して設置されているのがわかるかと思います。
以下は自由勾配側溝の画像です。
グレーチング蓋が飛び飛びに設置されているのが分かると思います。
自由勾配側溝はラーメン構造のようになっており、一定のスパンで上面部があることから、側溝上面部と側溝蓋が混在した状態となっています。
上記画像のグレーチング蓋の箇所には、コンクリート蓋やファイコン蓋を設置することもできます。
側溝蓋が連続で設置されていたら「U型側溝」、側溝蓋が飛び飛びに設置されていたら「自由勾配側溝」です。簡単ですね。
まとめ
U型側溝と自由勾配側溝の違いは「排水勾配の取り方」にある。
U型側溝と自由勾配側溝は側溝自体の構造が違うため、排水勾配の取り方や蓋の設置箇所も異なる。
側溝蓋が連続して設置されていたら「U型側溝」、飛び飛びに設置されていたら「自由勾配側溝」である。
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